会社と人の絆を深めよう
こんにちは、ラプロユアコンサルティング事務所 代表の岩上です。
会社とは何か。
書類の中の「法人格」や、取引先との関係――それだけでは、決して語り尽くせないものだと、私は思います。
とくに経営の現場に立つと、会社はただの“組織”というより、一種の“生き物”のように感じることが多いのです。
私が独立したての頃。事務所の小さな部屋にスタッフが二人。毎朝、顔を合わせるたびに自分の気分や体調がそのまま空気に伝わっていく――そんな「家族」のような日々でした。
うれしいことも、苦しいことも、全てが自分の性格や価値観に返ってくる。会社をやるというのは、自分自身の“鏡”と毎日向き合う作業だなと、今振り返っても思います。
では、会社と人の“絆”は、どうすれば深められるのでしょうか。 今日は、経営の最前線で私自身が感じてきたこと、実際の現場での出来事、そして世の中の経営者仲間の声も交えながら、「絆」という一見あいまいで、でもものすごく大事なテーマに、もう一度正面から向き合ってみたいと思います。
書類の中の「法人格」や、取引先との関係――それだけでは、決して語り尽くせないものだと、私は思います。
とくに経営の現場に立つと、会社はただの“組織”というより、一種の“生き物”のように感じることが多いのです。
私が独立したての頃。事務所の小さな部屋にスタッフが二人。毎朝、顔を合わせるたびに自分の気分や体調がそのまま空気に伝わっていく――そんな「家族」のような日々でした。
うれしいことも、苦しいことも、全てが自分の性格や価値観に返ってくる。会社をやるというのは、自分自身の“鏡”と毎日向き合う作業だなと、今振り返っても思います。
では、会社と人の“絆”は、どうすれば深められるのでしょうか。 今日は、経営の最前線で私自身が感じてきたこと、実際の現場での出来事、そして世の中の経営者仲間の声も交えながら、「絆」という一見あいまいで、でもものすごく大事なテーマに、もう一度正面から向き合ってみたいと思います。
小さな会社は「私そのもの」──経営者のクセが染み出す日々
小さな会社を経営していると、「社長の性格=会社の性格」と言われることがよくあります。 実際、その通りだと私は思います。朝、自分が元気よく「おはよう!」と声をかけると、その日はどこか社内も活気づく。逆に、忙しさに追われて無口なままいると、いつの間にかスタッフまで言葉少なになってしまう。 会社の空気や雰囲気は、経営者の体温や表情にそっくりそのまま伝染していくのだと、私は日々痛感しています。
あるとき、会議中に私が何気なくため息をついたら、スタッフの一人が「今日、何かありましたか?」と不安そうな顔をしていました。 その姿に、ハッとしました。「自分の些細なクセや気分が、会社全体にこんなに影響しているんだ」と改めて気づいた瞬間です。
こういう話もよく耳にします。 経営者が完璧主義で細かなことまで気になるタイプだと、現場でも「また何か言われるのでは…」と、みんなの表情が固くなってしまう。
逆に、多少おおざっぱでも「うちの社長は失敗を笑いに変えてくれる」という安心感があると、 スタッフは挑戦する勇気を持てる。 この“空気”の違いは、言葉では表しきれないほど大きな差になると感じています。
一方で、社員一人ひとりの個性や価値観を積極的に活かし、経営者のクセや思い込みをあえて“笑い”に変えてくれるスタッフの存在が、会社を救うこともある――そんな実例もたくさん見てきました。
私自身、「会社の性格は自分の性格そのもの」と腹をくくった瞬間から、少しずつ“会社”という生き物と本気で向き合えるようになった気がします。
「人」と「会社」を分けて考える難しさと向き合う
小さな会社では、どうしても“家族的”な空気が生まれます。 私も「社員みんなが大事」「一人ひとりの顔が見える会社にしたい」と強く思ってきました。でも、それが裏目に出てしまうことも、実は少なくありません。 例えば、「うちはアットホームな会社です」と謳っていても、気がつくと“親心”という名の押し付けや、 「社長が一番苦労しているんだから、みんなも頑張れ」という空気が、 現場をしんどくしてしまうことがあります。
私自身も、忙しい時期になるとつい「なんでこんなことも分からないんだ」と感情的になり、 あとから「あの言い方はまずかった」と反省することがよくあります。 社員の一人が「先生、最近ちょっと怖いです」と言ってきた時は、さすがに胸が痛みました。
こうした“家族的”な会社運営がうまくいくかどうかは、 結局「どれだけ“違い”を認め合えるか」「経営者が自分の気持ちをうまく伝えられるか」にかかっていると感じます。
最近は「会社と自分を切り離して考えないと持たない」という経営者の声もよく耳にします。 仲が良いだけではなく、適度な距離感や“違い”を受け止める勇気が、これからの会社にはますます大切になっていくのだと痛感しています。
お客様との関係にも“バランス感覚”を
経営をしていると、どうしても「お客様第一」という考えが頭を離れません。私も若い頃は、「お客様の要望には全部応えなければならない」と思い込んでいました。
どんな無理な注文にも、どこか無理をしてでも応えようとしていた時期がありました。
その結果、どうなったか。
外から見れば「顧客満足度の高い会社」かもしれませんが、 会社の“体の中”、つまりスタッフや自分自身はどんどん疲弊していきました。
ある時は、深夜まで続くクレーム対応に追われ、スタッフの顔から笑顔が消えていく。 「会社の外側を守るために、内側をボロボロにしている」 そんな矛盾に、いつしか気づき始めました。
最近は、「自社の内部=“体”を大事にしなければ、本当の意味でお客様を大切にできない」という話をよく耳にします。 実際、“顧客満足”を掲げすぎて、肝心の現場が壊れてしまった会社の話は数えきれません。
私は「まず自分たちを健康に保つこと」が、お客様への誠実さにつながると思うのです。 お客様を大切にしたいという気持ちと同じくらい、自分やスタッフの体と心の健康を守ることが、 結果的に会社全体の“強さ”をつくるのだと感じます。
たとえば、社員と雑談する中で、「最近ちょっと無理してないか?」と尋ねる。 そんな日常の会話が、実は会社と人との絆を深めていく小さな種になるのです。
規模が大きくなるときの“見えない落とし穴”
会社が少しずつ成長し、スタッフやお客様が増えていくと、 かつては当たり前にできていた“心の距離”が、少しずつ遠く感じられることがあります。「全員の顔と名前が分かる」状態から、「あの部署の○○さんってどんな人?」となる規模への変化。
私も初めて10人を超える組織になったとき、自分の目や手が届かなくなることへの不安を強く感じました。
そんなとき、助けになったのは「理念」や「共通言語」をしっかりと“見える化”することでした。 たとえば、「困った時は必ず声を出そう」とか、「失敗した時は正直に話してほしい」といった、 シンプルだけど、誰もが分かる合言葉のようなものを作る。 それを定期的にみんなで確認し合うことで、組織としての一体感が強まったように思います。
一方で、会社の成長とともに「距離を置きすぎず、時には現場に戻って顔を出す」 そんな“アナログな努力”が、絆を守るためには意外と効果的だったりします。
たとえば月に一度はスタッフとランチをとったり、全体会議の後に一言ずつ「最近どう?」と聞いて回る。 そんな何気ないやり取りが、経営者と社員との心の距離をぐっと近づけてくれるのです。
「雑談が多い会社ほど、離職率が低く、現場の一体感が高い」というデータもよく見かけます。 実際、日本の人事系コンサルティング会社が行った調査によれば、「定期的な雑談や1on1ミーティングが多い組織ほど、離職率が10~20%下がった」というデータもあります。
成長の過程で“見えないほつれ”ができやすいからこそ、 あえて手間をかけて、「会社と人の絆」を意識的に深める努力を続けることが大切だと、私は思います。
絆を深める3ステップ:明日からできるミニ習慣
- 1日1声かけルール
朝イチまたは退勤前に、上司が部下へ必ず“雑談+感謝”のワンフレーズ。 - 週1オープンドア15 分
経営者⁄リーダーが誰でも相談に来ていい「窓口タイム」を毎週固定。 - 月1ミニ共有会
成功・失敗を1人3分で共有→拍手で締めるライト版報告会。継続で心理的安全性UP。
会社と人の「絆」を深めるために──私が大切にしていること
会社がどんなに大きくなっても、変わらず守り続けたいものがあります。 それは「人を使い捨てにしない」「誰か一人でも“孤独”にしない」ことです。私自身、経営者として壁にぶつかるたびに、たくさんの失敗や裏切りを経験してきました。 時には信じていた仲間が離れていったり、突然現場が空中分解しそうになったこともあります。
そんな時、救いになったのは、やっぱり“毎日の会話”でした。 スタッフのちょっとした愚痴や、業務とは関係ない雑談。 その中にこそ、会社と人との「絆」の芽があるのだと気づきました。
最近は「孤独な経営者ほど、自分の弱さや悩みを誰かに打ち明けられる場所を持っている」 そんな話をよく聞きます。 完璧な組織なんてどこにもないけれど、不完全さごと認め合える関係性こそが、 結果的に“最強の絆”になるのだと、今は信じています。
まずはこの3アクションで「孤独ゼロ」を目指そう
- 30秒アイスブレイク
朝礼でランダム質問(例:「最近笑ったことは?」)を1つ投げて場をほぐす。 - “ありがとう” Slack
社内チャットに感謝用チャンネルを作り、週5投稿をチーム目標に。 - フィードバック 1on1
月1回、5分でも良いので双方向フィードバックの時間を必ず確保。
また、社内だけでなく、お客様とも「正直な対話」を大切にしています。 どんなに大切なお客様であっても、無理をして迎合しすぎれば、 最終的に“自分たちらしさ”を失い、絆まで薄れてしまう。
お客様と腹を割って話し合える関係性。 「うちの会社はこんな価値観を持っている」「ここだけは譲れない」 そんな姿勢が、最終的には一番信頼される――私はそう感じています。
余談ではありますが、米ギャラップ社の世界的な調査でも「従業員のエンゲージメントが高い組織は、そうでない組織に比べて生産性や収益性が約20%高い」と発表されています(参照:Gallup 2023 State of the Workplace Report)。
私も現場で、「絆の強い会社はやっぱり業績もいいな」と感じることが多々あります。 そんな組織づくりを目指して、今日もがむしゃらに頑張ります。
今日のひとこと:
会社も人も、完璧じゃないからこそ、支え合える。
外側ばかり気にせず、時には「自分たちの体の中」にも目を向けてみてください。
きっと明日、少しだけ空気が変わります。 またお会いしましょう。
会社も人も、完璧じゃないからこそ、支え合える。
外側ばかり気にせず、時には「自分たちの体の中」にも目を向けてみてください。
きっと明日、少しだけ空気が変わります。 またお会いしましょう。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
絆は、一度深まれば絶対に消えない。
明日もまた、ほんの少しだけでも、誰かと歩み寄れる会社でありたい。 そう願っています。
絆は、一度深まれば絶対に消えない。
明日もまた、ほんの少しだけでも、誰かと歩み寄れる会社でありたい。 そう願っています。