AI時代の経営をデザイン。
法務も、税務も、未来も―
〒105-0004
東京都港区新橋2-5-2 goodoffice新橋
24時間受付中
外資系企業・外国人の
支援・サポート実績多数!

経営戦略なんて要らないはウソ─個人経営でも使える厳選最強フレーム5選

経営戦略なんて要らないはウソ─個人経営でも使える厳選最強フレーム5選

Table of Contents
経営戦略なんて要らないはウソ──個人経営でも使える厳選最強フレーム5選

「戦略なんて、ウチみたいな小さな会社には関係ない」──
以前は私もそう思っていました。

朝から晩まで、納品と請求とトラブル対応。
スケジュール帳は真っ黒なのに、利益はギリギリ。
「考える時間があるなら、少しでも多く仕事を片付けるべきだ」と信じ、ひたすら動き、仕事をつなぐ日々でした。

けれどある日、ふと時計を見た瞬間、こう思ったんです。
「この毎日、いつまで続くんだろう」と。

頑張っているのに、前に進んでいる実感がない。
売上はあるのに、利益が残らない。
どこかで“全体の構造”が噛み合っていない──
そんなモヤモヤを抱えながら、次のタスクに追われていく。

このような経験は、私だけではないはずです。
中小企業庁の2023年版白書によると、従業員20名未満の企業のうち、 「戦略的な計画に取り組んでいる」と答えた割合は、わずか32.4%。[1]
その理由の多くが「日々の業務に追われ、考える余裕がない」からだそうです。

戦略を立てないのではなく、立てる構造が日常の中に存在しない。 だから、“目の前の仕事に追われ続ける”という構造が、延々と続いてしまうのです。

戦略とは、未来を描くための設計図。
でも、そんな立派なものじゃなくてもいい。 例えるなら、迷子になったときの「コンビニで買える地図」のようなものでも、十分なんです。

戦略とは未来を描くための設計図

この記事は、「戦略」という言葉に抵抗がある方に向けて、
そのイメージを軽くし、“今すぐ使える地図”をお渡しできればと思います。

「難しいのは無理」「時間がない」「理屈より動きたい」──
そう思っていた私が、どうやって“構造としての戦略”と出会い、 どう使えるようになったのか。そのプロセスと実践を、具体的にお伝えします。

難しさを脱ぎ捨てて、“使える戦略”を、自分のものにする
そんなきっかけを、この文章が少しでも届けられたら嬉しいです。

なぜ「戦略は要らない」と思いたくなるのか

作業に追われ、考える余裕を失った経営者の様子

「戦略って、そもそも必要?」
「そんな時間があったら、営業に行った方がマシじゃない?」
「現場を知らないコンサルがやることだよ」

経営者の頭の中に、こうした“声”が浮かぶのはごく自然なことです。

実際、人間の脳は「緊急度の高いタスク」に強く引き寄せられる性質があります。 これは心理学で「時間的近接バイアス」と呼ばれ、 遠くの“重要なこと”より、目の前の“急ぎのこと”に意識が偏ってしまう現象です。

たとえば──
火事が起きている家の中で、「この家の構造設計に問題があったかも」と考えますか? まずは火を消す。それが当然の反応です。

でもその結果、火を消すことが「日常」になってしまう。 常に緊急対応ばかりが続き、「なぜこの問題が起きたのか」には踏み込めなくなるのです。

つまり、「戦略を立てる時間がない」のではなく、 “戦略を立てる構造が日常に組み込まれていない”──それが本質です。

さらに現場では、「戦略=堅苦しい」「机上の空論」「結果が出るまで時間がかかる」といった“ネガティブな刷り込み”もあります。

でもこれは、誤解です。 戦略とは、もっと小さくて、もっと柔らかくて、もっと自分に近いものなんです。

次のセクションでは、 「戦略=選ばないための構造」という視点から、 その誤解をほどいていきましょう。

戦略とは“選ばないための構造”である

多すぎる選択肢の中で迷って立ち止まる経営者

戦略という言葉を聞くと、「将来の目標」や「成長のシナリオ」を思い浮かべる方が多いかもしれません。
でも、実務において戦略が本当に役立つのは、“選ばないため”の局面です。

毎日の経営には、数え切れないほどの選択肢があります。 SNSを強化する?キャンペーンを打つ?新商品を出す?
どれも「やれば意味がありそう」で、判断が後回しになる。 結果的に、やらなくてもよかったことに時間を取られていませんか?

戦略とは、「本来やらなくていいこと」を見抜く“フィルター”です。
それがあるだけで、選択肢が10あるように見えて、実は3でいいとわかる。

これはまさに、Google Mapを手にした旅人と同じ。
地図があるから「通らなくていい道」がわかり、立ち止まることなく進めます。

Google Mapを手にした旅人

でも逆に、地図のない状態では、迷っていることすら自覚できないのです。 「いつも通り」「なんとなく」で選んでいると、やがて動きが鈍くなり、 気づけば“思考の迷子”になってしまいます。

だからこそ、戦略とは「選ばないための構造」であるべきなのです。

大企業のための壮大な計画ではありません。 忙しい日常に“自動的に判断できる型”を埋め込む。 それだけで、経営は驚くほど軽やかになります。

次のセクションでは、そんな「構造としての戦略」を、 今すぐ使えるフレームという形でご紹介していきます。

まず使える戦略フレーム3選(ライト層向け)

実務に使えるシンプルな戦略ツールの図

「戦略フレーム」なんて言うと、難しく聞こえるかもしれません。
でもご安心ください。ここで紹介するのは、個人経営でも“すぐ使える”シンプルな3つです。

どれもホワイトボードやノートにざっくり書き出すだけで、
ビジネスの“見えてなかった構造”が立ち上がってくるはずです。

1. PDCAサイクル──改善の基本構造

PDCAサイクルのイメージ図

Plan → Do → Check → Act の4段階で業務をまわす、改善の基本サイクル。
戦略とは、この「Plan」にあたる部分です。

よくあるのが、「走りながら考える」スタイル。
でもこれ、Doが強すぎてPlanが追いつかないと、空回りしがちなんです。

戦略を持つとは、「やる前に、何を・なぜやるかを決める」こと。
忙しいときほど、Planの強化が回転力を生み出します。

・まず今取り組んでいる仕事や施策を1つだけ選びます。

・そのゴール(Plan)を“数値”と“期限”でざっくり設定してみましょう。

・やってみた後(Do)、何ができて何ができなかったかを振り返ります(Check)。

・改善点を1つだけ決めて、次のサイクルに移しましょう(Act)。

・A4一枚にまとめて、週に1回見直すだけでも大きく変わります。


2. STP分析──誰に、何を、どう届けるか

STP分析──誰に、何を、どう届けるか

Segmentation(市場を分ける)
Targeting(誰に届けるかを決める)
Positioning(どんな立ち位置で勝負するか)
この3段階を整理することで、マーケティングの軸が明確になります。

中小企業庁の調査でも、「顧客を明確にできていない企業は、売上成長率が著しく低い」という傾向が出ています(中小企業白書2023)。[1]
STPは、「誰のためにビジネスをしているのか」を再確認する道具になります。

・今の顧客を3つに分けてみましょう(Segmentation)。

・その中で「一番成果につながりやすい層」を選びます(Targeting)。

・その人たちが“何に悩み、どんな言葉に反応するか”を想像します。

・それに合わせて、商品のメッセージや導線を微調整してみてください(Positioning)。

・チラシやLPの「冒頭1文」が劇的に変わります。


3. 4P戦略──商品を“売れる構造”に変える

4P戦略──商品を“売れる構造”に変える

Product(商品)・Price(価格)・Place(販売場所)・Promotion(広め方) の4つを整理することで、売上の土台を設計します。

「商品は悪くないのに売れない」──その原因は、導線や価値伝達の設計にあることが多いです。
4Pを使えば、「商品以外の部分」でつまずいている箇所が見えてきます。

・自社の商品について、4つの視点から書き出してみましょう:商品・価格・販路・告知手段。

・「この商品は誰に、いくらで、どこで、どうやって届けているか」を整理します。

・漏れている項目(特に販路や告知)に気づくことが多いはずです。

・価格設定が曖昧なら、3社比較や原価率のチェックから始めてください。

・最後に、「この4Pで、利益は残るか?」を問い直しましょう。


この3つは、“図にして初めて分かること”がたくさんあるフレームです。
難しく考えず、1つでもノートに書いてみてください。きっと、新しい発見がありますよ。

一歩進める戦略フレーム2選(中〜発展層向け)

発展型フレームの思考構造を図解するイメージ

ここからは少し視点を上げて、“中長期でビジネスを設計するため”のフレームを2つ紹介します。
「とりあえずの売上」ではなく、“伸びる土台”をつくるための考え方です。

4. アンゾフの成長マトリクス

アンゾフの成長マトリクス

「商品 × 市場」という2軸でビジネスの成長戦略を整理するマトリクス。
既存 or 新規の組み合わせによって、4つの成長方向を視覚化できます。

市場浸透/新市場開拓/商品開発/多角化の4象限を使うことで、
自社が「守るべき領域」と「伸ばす余地のある領域」が明確になります。

「攻めの経営」が必要だとわかっていても、どこをどう攻めるかが分からない──
そんなときに、このフレームが地図になってくれます。

・「今の商品」と「今の顧客」をベースに、以下の4象限に書き出してみてください。

・①既存×既存(深掘り)②既存×新市場③新商品×既存④新×新(多角化)

・自社が自然とやっていることが、どの戦略かを可視化できます。

・次に挑戦すべき領域を「売上より楽になる方向」から逆算するのがコツです。

・視野が広がるだけで、投資の方向がブレにくくなります。


5. バリューチェーン分析

バリューチェーン分析

会社のあらゆる活動(調達・開発・営業・サポートなど)を流れで捉え、
「どこで価値が生まれているか/コストが無駄になっているか」を可視化する戦略ツール。

特にサービス業や製造業では、「自社の強みがどこにあるか」が言語化できないケースが多くあります。
バリューチェーンを使えば、「利益の出る設計」を再構築するヒントが得られます。

・自社の業務を「仕入れ→製造→営業→サービス」など時系列で並べてみましょう。

・各工程で“価値が生まれているか/無駄が発生しているか”を赤青でマークします。

・「ここで感動が生まれている/顧客が離れている」ポイントを洗い出してください。

・営業成績やレビュー分析を合わせて見ると、現場感と結びつきやすくなります。

・価値の再設計=利益構造の再設計です。


フレームというのは、使うためではなく、“見えなかった構造を浮かび上がらせるため”の装置です。
ここで紹介した5つの中から、自分の経営に最も近いものを1つだけ選んで使ってみてください。

もしも余裕があるなら、もう一つ!

6. RACEフレームワーク──導線を構造化する

RACEフレームワーク──導線を構造化する

デジタル集客・販売導線を「認知→行動→成約→継続」の4段階に構造化する戦略フレーム。
STPや4Pで描いた戦略を、現実の“流れ”に落とし込むのに最適な視点です。

Reach(認知)
Act(関心・行動)
Convert(成約)
Engage(継続・関係構築)
という4つの段階を意識することで、顧客の“接触から継続まで”の流れが明確になります。

たとえば、SNSで発信はしているのに成果が出ない──
その場合、Reach(認知)ばかりでConvert(成約導線)が抜けていることが多いのです。

また、リピーターが育たないなら、Engage(継続戦略)が構造化されていない可能性も。

RACEフレームは、STPや4Pなどで定めたターゲットや商品設計を、実際の動線設計へと橋渡ししてくれます。
特にWeb・デジタル施策との相性が良く、スモールビジネスにも非常に実用的です。

・自社の「認知→行動→成約→継続」の流れを書き出してみましょう。

・それぞれの段階に「今どんな施策をしているか」「抜けている箇所はどこか」を整理します。

・SNSはReach、LPやDMはConvert、メールやLINEはEngageに該当します。

・顧客が“どこで止まっているか”を見極めるだけで改善点が明確になります。

・構造を可視化することで、優先順位と効果が段違いになります。

戦略を「考える」から「使える」へ──再設計の第一歩

戦略フレームを実務で使おうとする経営者の姿

ここまで読んで、「やっぱり戦略って大事だな」と思っていただけたなら──
ぜひ、今日のうちに“小さな一歩”を踏み出してみてください。

でも、ひとつ気をつけてほしいことがあります。 それは、考えただけで満足しないということ。

戦略は、持っているだけでは価値が生まれません。
たとえるなら、棚にしまったままの地図のようなものです。

本当に意味を持つのは、「その地図を開いて、次の一歩を決めた瞬間」なんです。

明日からできる“小さな一歩”

・今日紹介した5つの戦略フレームの中から、1つだけを選ぶ。
・ノートやホワイトボードに、自分の事業にあてはめて書き出してみる。
・30分でいいので、「言葉にして、構造を動かす」時間をとる。

すべてを完璧にやろうとしなくても構いません。
大切なのは、「考える時間」が日常にあるかどうかです。

忙しさに流される前に、“選ばない構造”を、自分の手元に取り戻す
その一歩が、次の大きな成果に繋がっていきます。

よくある質問(FAQ)

Q1. フレームが多すぎて、結局どれを使えばいいか迷います。
「今の悩み」に一番近いフレームを1つだけ使ってみてください。選ぶ基準は“ピンときたもの”でOKです。
Q2. 戦略を考えても、現場の動きが変わりません。
戦略は「現場に届く形」にしないと効果が出ません。図解やマニュアル化など“伝える仕組み”が鍵です。
Q3. フレームに当てはめると、逆に固まって動けなくなります。
フレームは「当てはめるもの」ではなく、「見えなかった構造を炙り出す装置」です。正解探しではなく、“問いかけ”の道具と捉えてください。
Q4. 忙しくて、戦略を考える時間が取れません。
だからこそ、“戦略を立てないと、忙しさは続く”と捉えてみてください。30分の思考時間が、5時間分の手戻りを防ぎます。
Q5. ひとりではうまく言語化できません。誰かに相談してもいいですか?
むしろ、言語化には“壁打ち”が効果的です。自分では当たり前と思っている構造も、他人の目には見えていないことが多いのです。

まとめ

戦略という言葉が実務に溶け込んだ様子
  • 戦略とは、「やること」ではなく「やらないことを決めるための構造」である。
  • STPや4Pなど、個人経営でも使える“選ばない戦略”の型はたくさんある。
  • 迷わず進むためには、“考える時間”を先に構造に埋め込むことが大切。

「戦略なんて、いらない」──かつてそう思っていた私が、 今は「戦略こそが、現場を守る最短距離だった」と確信しています。

何を捨て、何に集中するか。 その“選ばない設計”を、明日からひとつずつ整えていきましょう。

Picture of この記事の監修者
この記事の監修者

国際行政書士 岩上真也
AI組織設計・経営デザインパートナー

法務 × 税務 × AI を一気通貫で統合する“経営デザイン”
外国人起業家・外資系企業の 会社設立/ビザ取得/経営管理 サポート
「問い」を核にした 組織構造・空気の再設計 と 財務・DX戦略 の実装

行政書士×税理士連携で、ビザ・会社設立から財務・DXまでワンストップ支援。
AIを活用して思考の幅を広げ、経営者が言語化しづらいモヤモヤを具体的な課題へ落とし込みます。
組織の「空気」と「構造」を再設計し、誰もが「ここにいていい」と感じる未来を共創します。

記事検索

お仕事のご依頼はこちらから

Picture of ラプロユアコンサルティング
ラプロユアコンサルティング

高品質なビジネスサポートの税務・法務・経営コンサル
~外資系企業・外国人クライアント様の支援実績多数~
会社設立サポートから、ビザサポート、会計・経営コンサル、講演・執筆依頼など、なんでもお気軽にお問い合わせください!

お問い合わせはこちらから

経営思想ラボの新着記事

>>, の記事一覧を見る

よく読まれている記事

Send Us A Message

  • すべて
  • "キャリア"
  • "構造変化"
  • "若手向け"
  • アイディア
  • キャリア設計
  • パーパス経営
  • マーケティング
  • 人材
  • 仕組化
  • 副業
  • 努力
  • 商品設計
  • 意思決定
  • 成長
  • 構造の問題
  • 構造思考
  • 構造設計
  • 理念
  • 組織運営
  • 経営戦略
  • 経営者向け
  • 習慣形成
  • 行動科学
  • 観察スキル
  • 評価制度
  • 起業・創業
  • 離職
  • 非言語

お問い合わせ

まずはお気軽に、お問い合わせフォームよりご連絡ください。

=24時間受付中=

ラプロユアコンサルティング行政書士事務所
岩上税理士事務所

〒105-0004

東京都港区新橋2-5-2 goodoffice新橋

ーご来所の際は、事前にご予約をお願い申し上げますー

ラプロユアコンサルティング行政書士事務所

〒105-0004
東京都港区新橋2-5-2 goodoffice新橋

Copyright © 2025 ラプロユアコンサルティング行政書士事務所 All rights reserved.

HOME

MAIL

OFFICE

上部へスクロール